今まで翔くんから『可愛い』という言葉なんて一度も聞いたことのないわたしは案の定慌てまくる




翔くんがわたしのこと可愛いって!可愛いって!!




もうそれだけで有頂天になれるわたしは相当単純なんだけど、嬉しいものは嬉しい




「それはもう、『彼女は自分には勿体ないくらいの女性で、自分を選んでくれたことに感謝しています』って言うほどよ。こんなこと相当あなたに惚れ込んでなきゃ言えないことよ」



次々と信じられないことを聞かされ、わたしの頭はパンク状態




本当に翔くんがそんなこと言ってくれたなんて信じられない!もしかしたら美礼さんがわたしをからかってるだけかもしれない



でもでも本当だったらもうもうもう・・・嬉しすぎて・・・




どうしよう、すっごいにやけてしまう




今すぐ翔くんに抱き付きたい衝動に駆られる




そんなわたしの様子を見て、何か思い出したのかハッとした美礼さんは急に慌ててこう付け足した




「い、今の話わたしが話したって設楽翔に内緒ね!口止めさせられてるのすっかり忘れてたー!!」




確かに翔くんの性格からして絶対にわたしに面と向かって言ってくれそうにないし



もし美礼さんからこんなこと聞いたって言ったらたぶん美礼さんの慌てぶりからにしてすっごい圧力かけてると思う



それにこんなことわたしにばれたりしたらきっと一週間どころか一か月、口をきいてはくれないは疎か姿を現してくれないかもしれないという可能性もある





そんなことになったらたぶん翔くん不足でわたしが死んでしまう