その手は決してわたしに差し伸べてはくれなかった





小さなわたしが小さな石ころで躓いて転んで、泣き出しそうになったとき、あなたは決してわたしを助けようとはしてくれなかった




ただ鋭い目でわたしのことを見つめ、冷たくこう言い放った







『甘えるな』












*
*










ピピピピピピピピッ





はっ!




目覚ましの音でカッと目を開け、布団から起き上がった瞬間





「おはようございます、美咲様」




にこやかな笑顔の桂さんがそこにいた。




あれっ・・・?