カチャカチャ
その日の夕食もいつものように長い沈黙が続く
見なきゃ気づかないもの・・・見なきゃ気づかないもの・・・
頭の中で昼間、双子の片割れに言われた言葉がぐるぐると回転する
そのせいでぼーっとしていたのか、水を飲もうと、グラスを取ろうとすると
ガタッ
「あっ・・・」
バシャッ
手が滑り、グラスが傾き、水がぶわーってテーブルの向こう側へと広がっていく
あぁ・・・
何やってるんだ、俺は・・・
水がテーブルに広がった瞬間、側にいた使用人たちが一斉に水がこぼれたところへと集まった
「・・・すまない」
「いえ、お気になさらず!」
はぁ・・・
いったい今日で何回目なのかわからないため息を吐き、ふと前を向くと、少し長めのテーブルの先で美咲が一人何か言いたそうに口を開けたり閉めたり、挙動不審な動きをしていた

