精一杯の反撃のつもりで思いっきり不機嫌そうに低い声でそう言ったが、たぶんこの人には絶対効かない



「いやっー、最近どうかなって思って、どう人生楽しんでる?」



遠い親戚の叔父さんみたいなこと言い出してるよ、この人



どうやら今日は一人みたいだけど、どうやら厄介なほうの片割れに捕まってしまったらしい



どうせなら秋のほうと遭遇したかった・・・



「秋のほうがよかったって思ってる」



「別に・・・」



「すいませんねぇー、秋じゃなくて春で!!面倒なほうの片割れですいませんねぇー」



勝手に心の中を読んだあとにさらに勝手に一人で拗ねてやがる



めんどくさい




「あー!!今めんどくさいって思った!!翔くん、酷い!!そんなに僕のこと嫌い!?」



また勝手に人が思ったこと読んでる、くっそ



この人、マジで怖い



「まぁ、そんなことはおいといてっと・・・、翔くん、君まーたでしょ?」



「・・・またって・・・?」



「恍けてるんじゃないよー、翔くん、またあの病気が再発したでしょ?早いねー、『美咲を避ける病気』。治ってはないと思ってたけど、ここまで早く再発するともさすがの僕でも予想はしなかったよ」



俺の頭はベシベシと叩きながら、意気揚々とそう言った。