「ごめんなさい、ごめんなさい」
自然に口からこの言葉が出てきた。
きっと翔くんはわたしに謝ってほしくてそんなことを打ち明けたわけではないとわかっている、けど勝手に出てくる。
でも結局は翔くんの思いに何一つ気付けなかったわたしはもう『ごめんなさい』ということしか出来ないのだ。
わたしは普通に翔くんに恋をした。
もっと早く翔くんに『好き』と伝えていれば、翔くんはそんなに悩まなくてもよかったんだ。
泣きながら『ごめんなさい』と言い続けるわたしに対し、翔くんは少し困ったように眉を下げ、そして軽く息を吐くと、そっとわたしを抱きしめた。
「結局俺はお前を泣かせるんだな…」
とっても悲しそうな声が聞こえ、わたしはバッと顔を上げた。
「そうじゃないんだよ、翔くん。わたしは…わたしは、翔くんが好きだから…」
すっごくすっごく好きだから
だから翔くんをそんな風に悲しませるわたしがどうしようもなくふがいなくて、情けなくて
「だけど、今まで俺、散々美咲に酷いことしてきたから…」
「そ…それはそうだけど…」
嫌、そこは否定できないよ
だって、実際に散々酷いことされたもん
ここで全部そんなことなかったよってわたしが言っても、きっと翔くんは納得しないし、わたしもたくさん傷ついたから一瞬では洗い流されない。
たとえそれがわたしの行動によって起きたことでもやっぱりあの時泣いた涙は戻ってはこない。

