「本当の俺は、泣き虫で弱虫で誰より臆病者でそれなのに誰よりも見栄っ張りで独占欲が強くて、お前を傷つけてばっかで…」
ぽたりぽたりと翔くんの瞳から流れる涙が一粒、また一粒とわたしの頬へと落ちていく。
「こんなかっこ悪いやつだけど…美咲が思い描いてるような俺とは全然違うけど、こんな俺でも好きだと言ってくれるのか…?」
涙を流しながら、悲しみで顔を歪ませる翔くんを見て、わたしも自然に涙が出てきた。
そんな、
「そんなこと言わないでよ…、こんな俺とかって…わたしの好きな人の悪口なんて、聞きたくないよ…」
翔くんの頬にそっと触れる。
「翔くんが臆病者とか、泣き虫とか、そんなのねどうでもいいんだよ。わたしは誰よりも努力して、誰よりも頑張って、誰よりも優しいそんな翔くんが大好きなんだよ」
最初はこの人と結ばれることがわたしの運命で、生まれる前からとっくに決められていたわたしの未来だと思っていた。
でも一緒にいるたびに、姿を見るたびに、わたしは段々惹かれていった。
わたしは知っている
夜遅くまで机に向かって頑張っている翔くんを
努力して、努力して、努力して、いーっぱい努力して
わたしはそんな翔くんをずっと見ていたのだ。
翔くんが優しいことだって知っている。
その優しさはわたしに向けられることは少なかったが、ずっと見てきた。

