氷の冷たさが気持ちよかった。
恥ずかしいが、久しぶりに泣いた。
まさかこの歳でこんなに泣くとは、さすがに自分でも吃驚した。
「幼い時とはやっぱり違うねぇー、やっぱり大の男が泣くと、一気に気持ちが冷めていくというか…なんていうか…」
「今までとは違って、今回は本当に泣き止めー、早く泣き止めーって祈ってたもんね」
あははははははははといつまでも憎まれ口を叩く双子も結局は俺が泣き止むまで、泣き止んだ今もまだここにいた。
結局俺はまたこの二人に救われたことになるのだ。
本当に二人には敵わない。
「…さてと、そろそろ僕たちは帰りますか…」」
あの後、どこからか取り出したアルバムで昔話に花を咲かせていた(主に俺の悪口と、美咲に対しての惚気話)双子はゆっくりと立ち上がった。
窓から差し込む朝日が眩しい、かなりの時間を費やしたらしい。
「それじゃあね、翔くん」
「また来るね、ばいばい」
まるで何もなかったような素振りで部屋から出ようとする二人を俺は慌てて呼び止めた。

