乱暴に絆創膏を額に張られたと同時に激痛が走った。




「った~~!!もっと、丁寧にやってください。これでも一応、怪我人です」




「いやぁー、これは流れ流れ詐欺だよ、翔くん。あんなにたくさんの血が流れているからどんな重症かと思ったけど、まさかただの擦り傷とは…焦って損した」




「だよねー、マジでひばりに殺されるってひやひやしたけど、これだけなら三分の二殺しぐらいで済むもんね」




物騒な話をあははははははと笑顔で話している双子はたぶんもう人間以外の何かだと思う。




というか、三分の二殺しって姉さんにそこまで腕力は…な、い、はずなのに何故か最後まで否定できない。




「ほれ、氷ー。ひやひやー」




「つめたっ」




突然目の下に氷枕を当てられた。




「それにしても男を慰めるのがここまで楽しくないとは思わなかったよ…」




「泣き止むまで本当に、本当に、苦しかった…。必死に頭の中で翔くんを美咲にするのに苦労したよ、結局できなかったけど…」




「…すいませんでしたね…」




本当に憎まれ口が減らない人たちだ。




氷枕をすっかり赤く腫れ上がってしまった目尻に当てた。