まるで俺と美咲が自分たちのおもちゃみたいな言い方。
実際そんな扱いだったが…
だんだんいったい何を話しているのかわからなくなった。
あと、忘れかけていたが、額の傷の手当てをまだしていないので、血が流れる流れる。
絵面的にかなりやばい状態の人みたいに見えるが、この双子は気にしていない。
「普通ならこのままつまらないまま二人とも順調に成長して、仲のいいまま結婚するはずだった…、けど8年前、翔くんは急にがらりと変わってしまった」
「……」
「本当に急に、すっごい急に、かなり急に」
なぜか『急に』という言葉を強調してくる。
確かにこの時期から、自分が徐々に変わってくのは気づいている。
だから、今更って気もするが…
「翔くん、人は何の前触れもなく突然変わるってことはまずありえない。必ず何かきっかけがあるはずなんだよ」
「きっかけって跡継ぎって意識を持ったのはこの時期からだったら…」
「違う、違う。もっと確実に確かなきっかけ。君がそんな風に変わってしまった絶対なるきっかけ」
絶対なる、きっかけ…?

