その言葉を聞いた瞬間、頭の中が真っ白になり、全身の力が抜け、その場に崩れ落ちた。
「美咲が泣く理由なんて誰が見ても一目瞭然、『翔くんに冷たくされた』、たったこれだけだ」
「もし、僕らや他の人が君にそんな態度をとられてもただちょっと気分が害するだけで、泣くほどのものじゃない。もしかしたら、美咲は他の人より感受性が豊かだからかもしれないが、それも違う、あれはちょっとやそっとのことで簡単に泣くほど弱くはない」
「じゃあ、なんでって…。君ならわかるよね、翔くん」
・・・わかるよ、そんなのずっと前から知ってるよ。
ずーっと前から本当はわかってたよ。
美咲が泣くたびに胸が痛くなって、後悔するけど、でも本当は心の奥のどっかで安心していたんだ。
まだ、大丈夫。
美咲は自分に冷たくされても、まだ泣いてくれる。
まだ、
こんな俺をまだ好きでいてくれてるって
ずっとずっとそう思ってたんだ。
本当に、本当に
「俺は最低なやつだな…」
