こんな俺に美咲をいつまでも縛り付けるのはあまりにもかわいそうだ。
「これでやっと美咲は泣かなくていいんです。もう傷ついた顔、見たくないんです」
双子の息を呑む音が聞こえた。
この二人がわかってくれるのなら、きっともう大丈夫だ。
そう安心しきったときに、双子は思わぬ言葉を発した。
「……泣かせたくないって…君…、僕たちはずっと君は美咲をわざと泣かせていると思っていたが、違うの?」
はっ…?
俺は思わず顔を上げ、二人揃って首を傾げている双子を見た。
この人はいったい何を…
「わざとって…そんなのあるわけないじゃないですか」
俺はずっと美咲が泣くのが嫌だったんだ、なのにわざとって…
またいつもの調子でふざけているのか、この人たちは。
「うん、でも実際、たぶん、かなりの確実で僕たちはそう思うよ。君が美咲との結婚を承諾したその時、いや」
「もっと昔から、翔くんは自分の意志で美咲を泣かせてるかもしれないって」

