終わりにしよう。
「だから、嫌だったんだ…」
これで全部終わるんだ。
「だから、お前を娶るなんて嫌だって言ったんだ!!!」
その言葉は廊下まで響いた。
これ以上何も言わないつもりだった、これだけで十分だ。
だから、まさかあれが自分の口から吐き出されたのには驚いた。
「いつも、いつも、いつも、いつも!!思い通りにならない!!全部…全部…!!」
そうだ、そうだ。
いつも思った通りにいかない、出来ない。
ずっと昔からこんなはずじゃなかったと俺は後悔してばかりだった。
たくさん、たくさん後悔したのに、また俺は繰り返し後悔する。
ただ美咲が好きなだけなのに、本当に俺はどうしようもない馬鹿だな。
気付いたら目の前にいた美咲がいなくなって、廊下を走る足音だけが空しく廊下に響く。
今度こそ、さようなら、美咲
たった一人の大切な君へ、俺は別れを告げた。

