震える俺の手を握り返してくれてくれる彼女は昔から変わらない俺が好きになった優しい美咲だった。




この短い数か月の間、たくさん知らない美咲を見てきたが、やっぱり美咲は美咲だ。




今も昔も変わらない優しさでたくさんの人を笑顔にする美咲だから俺は好きになったんだ。




だから、今度こそ美咲を笑顔にしたかった、今度こそ。




なのに





「そんなに…そんなにわたしが嫌いなら、嫌いってはっきり言えばいいじゃない!!!」




泣きながらそう叫んだ美咲を見て、俺はまたあの時の気持ちになった。




違う、こんなはずじゃなかった。




どうして…どうしてまた…今度は、今度はどこで間違えた?




子供のように泣きじゃくる美咲を目の前にして、俺はまた何も出来ない。




結局俺は2年前から何も変わっていなかったんだ。




少しも変わることが出来なかった俺はまた美咲を泣かせる。




俺はあの双子の言葉を思い出した。




『僕たちのかわいそうな妹をどうか大切にしてあげてね』




無理だった。




もう駄目だ、もう駄目なんだ。




美咲は俺といてもきっと笑顔になることなんてない。そんなことわかっていたはずなのに、わかっていたはずなのに!!




俺の身勝手なわがままで美咲をまた傷つけてしまった。




だったら、もう全部終わらせよう。




もう君が傷つかないように、泣かないように。




最初から正解なんてあるはずがないんだ。




最初から全部間違っていたんだ。