「…その先ほど、美咲様が…」




「…………」




どうやら美咲はこの2年間でかなり凶暴に育ったらしい。




原因はわからないが、きっと2年前のあれであろう。




あまりにもあの出来事がショックだったのか、美咲の性格が変わってしまったのも納得できる。



それとも、これが彼女の元々の性格だったのだろうか?




俺はいつも美咲の強がりの作り笑いと泣き顔しか見てこなかった。




それ以外の美咲など知らない俺は美咲の性格が変わっているか変わっていないかなんてわかるはずがなかった。




もしかしたら、2年前までの美咲は俺のせいで本当の自分がわからない状態だったのかもしれない。




やはり彼女は俺のそばにいないほうがいいのかもしれないと考えてしまうが、それでも一緒にいるうちに俺はまた少しずつ2年前までの美咲ではない今の彼女を見ていくうちにまた惹かれていくのだ。




夕方の教室で一人、悔しくて泣く姿も、




頼んでもないのに勝手に笑いのことを熱心に語る姿も、




恥ずかしくて指輪をはめられなかった俺に無理やり指輪をはめる姿も、




怒りに任せてパソコンを投げ飛ばす姿も、




全てが美咲であり、全てが愛おしく思えた。




そして