「設楽はあなたたちの交換条件を呑みます。花菱に資金援助する代わりに俺が花菱美咲を娶ります。それでいいですか?」



この選択が間違っているということはもちろんわかっている。



だから、これが最後のチャンスなんだ。




今度こそちゃんと俺は、美咲と向き合わなけれいけない。




そう言い切ると、双子はポンッと俺の両肩に手をのせた。




「あぁ、それでいいよ。よく頑張ったね」




「本当に…ありがとう」




今にも項垂れてしまいそうな俺の肩をぎゅっと掴み、穏やかな声で耳元で囁く双子の言葉に不覚にも泣きそうになった。










「だけど、結婚したからって美咲に変なことしたら、どうなるかわかってるよね?か・け・る・く・ん?」




「は、い…?っていだだだだ!!」




突然おぞましい声が隣から聞こえてきたと思ったら、いきなり肩にものすごい痛みが走った。




「もう!!もう!!本当に苦渋の決断だったからね!!てか、翔くんが美咲を娶らないって言ったとき本当に焦ったよ!!」




「マジでこいつ何言っちゃんですかー?頭の中、いっちゃってるんですかー?って…まだ美咲に未練タラタラのくせにそんな強がりなんかして、もう!!もう!!翔くんの馬鹿!!」




右と左両方からべしべしと重い平手が頭に降り注がれている。




なんだ、この状況は…