「美咲の件はなしです」
きっぱりとそう言うと、双子の動きが止まり、二人とも首を傾げた。
「なんで?」
「なんでさぁ?」
・・・本気で聞いているのか、この双子は…
「こちらは無条件で資金援助します」
「いやいや、それじゃあ不平等だよ、翔くん」
「そうだよ、僕たち不公平は嫌いだな」
何を今更…昔散々イカサマしながらゲームしてたくせに…よくそんな嘘つけるな…
それに不平等か何かは関係ないけど、それだけは承諾してはいけない。
「この件に美咲は関係ありませんから」
すると、さっきまで明るかった部屋の雰囲気が一気に静まり返った。
双子の顔から笑顔をすっと消えた。
「関係なくないよ、言ったでしょう?美咲は僕たちの、花菱の駒だって」
「なっ…」

