「花菱はもう一度、前みたいに世界でトップクラスの企業へと這い上がってみせる」
「そして、戻ったあとには花菱を見放した奴らに後悔させてやるんだ。あの時、花菱を切るんじゃなかったって思わせてやる!」
そう高らかと言う彼らは俺の中でははキラキラと輝いて見えた。
昔からこうだ。
この双子は他の人が絶対に無謀だと思っていることもにも平気で突っ込んで、そして見事にそれを成功させて、いつもの笑顔で『ざまぁみろ』と人を小馬鹿にする。
そんな二人の姿を昔の俺は、いや今でもずっと憧れていたんだ。
見てみたい。
この双子が誰もが不可能だという「花菱の再建を成功させるとこを見てみたい。
純粋にそう思ったんだ。
「…わかった、資金援助の件、承諾しましょう」
気づいた時には自然とそんなことを口走っていた。
すると
「きゃー、翔くん素敵!!僕、信じてたよ!!翔くんがそう言ってくれることを!!」
「マジかっこいい!!惚れる!!本当に翔くんは男の中の男!!」
といつものように調子のいい笑顔でいきなり抱き付いてきた。
けど…

