「…、そうだね、君が怒るのも無理ないよ」
「僕たちは最低なことをしてるってぐらいはわかってるよ」
淡々とそう続ける双子に俺はさらに腹を立てた。
だったら…
「だったら、どうして…!!」
すると、双子は穏やかな表情になり、こう言った。
「もうそれしかないんだ」
「こうするしかもう花菱は後がないんだよ、翔くん」
いつもと違う、悲しい二人の声を聞き、俺は動きを止めた。
「翔くんも思っているはずだ。花菱はどんなに手を尽くしても倒産するしかもう後はないって」
「それは…」
事実だ。
だから俺は美咲以前に花菱への資金援助を断ろうとした。
花菱はもう…どんなに手を尽くしても、元に戻ることは出来ない。
必死に悪あがきしたって、後はもう倒産するしかないんだ。
「さすがに今までこういうことに首を突っ込んでこなかった僕たちでもわかるよ、それくらいは」
「そうだね。わかりたくなかったけど、周りが勝手に気づかせてくれるんだもん」

