「ソレデハ、わたしこれからボスと一緒ニオフィスに戻りマスが、カケルも一緒に行く、デスか?」
「…いや、今日はいい」
「……ワカリマシタ。それじゃあ、カケル。マタ明日」
そう言ったキャシーは小走りで廊下を走って行った。
誰もいなくなった空間で俺は一人小さくため息をついた。
これで終わり。もう終わりなんだ。
美咲は俺なんか忘れて他の奴と幸せになってくれれば、それでいい。
それでいいと腹を括っていたはずなのに…
数か月前…
「…何のつもりですか…?」
目の前に、土下座をする二人の男の姿があった。
今の現代社会では既に珍しくなっている土下座、それだけで吃驚なのに、その土下座をしている相手も驚く人物だった。

