兄さんたちはわたしの恋はまだ始まっていないっていってくれたけど…



告白したら一瞬で振られそうな空気なんですけど!!




あぁぁぁぁ、確実に振られるんだろうな…わたし…



振られたらきっとわたしまた絶対泣くよね…泣いたら、また鬱陶しい女って思われるよね。




それでも、言わないでうじうじするよりはマシなのかもしれない。




それに振られたらもう一度、何度でも昔のようにアタックすればいいもんね。




振られたら恋は終わってしまっても、わたしはきっとまだ翔くんが好きなままだろう。




諦めたいけど、諦められないほどもうずっと前から好きなんだもん。




振られたら今度こそもう一度スタートラインに立とう。




翔くんの婚約者でもお嫁さんでもない、ただの普通の花菱美咲として。




仕組まれたものではなく、そこらへんにありふれているただの恋をもう一度、翔くんにしよう。









「翔くん、わたしは…わたしはね、ずっと昔からあなたが好きです」









こうして、やっとわたしの初めての『恋』は始まったのです。