兄さんたちの言葉で涙でぼやけていた視界がはっきりしてきた。
そっか…そうなんだ…
「それに人を『想う』という気持ちは絶対に終わることはないんだよ。たとえその『恋』が終わったとしても、『想い』を終わらせるには本当に本当にその人のことを諦めたその時で、」
「美咲、君はまだ諦めてなんかいないだろう?だってまだそんなに泣いているのは、君が翔くんをまだ好きな証拠だよ」
わたしの『恋』はまだ終わっていない。
『想い』を伝えないかぎり、わたしの『恋』は始まることも終わること出来ないままだ。
真っ暗になっていたわたしの目の前に徐々に光が差してくるような気がした。
たとえ翔くんとの関係が終わってしまっても、わたしのこの『想い』があるかぎり、終わることはないんだ。
そう思うと、心の中にあった何か大きな鉛が一瞬にしてすぅっと軽くなった。
「まぁ、あくまで僕たちが思うに、だけどね」
「でも、君がどう受け止めるかまでは僕たちにはわからない」
いつものように悪戯っ子みたいに笑う兄たちを見て、わたしは思った。
あぁ、やっぱり兄さんたちはわたしのお兄ちゃんなんだね。
いつも昔からちゃらんぽらんとなんでも適当そうに生きてるけど、いざって時になると誰よりも頼りがいがあるわたしのお兄ちゃんなんだね。

