すごい音とともに扉が勢いよく吹っ飛び、そこから二つの影が現れた。
「さーて、眠り姫な籠り姫はここかな?」
「もしかしたら、継母に苛められたシンデレラかもしれないよ」
聞き覚えのある二人の声が壊れた扉のほうから聞こえてきた。
「さぁ、迎えに来たよ」
「僕たちのお姫様」
鍵をかけたはずの扉をぶっ壊し入ってきたのは、いつもの笑顔でわたしに手を差し出してきたの、花菱家最凶双子の兄たちだった。
「に、兄さん!?」
驚いて二人の兄さんの顔を交互に見るわたしを見て、兄たちくすくすと笑った。
「どうしたの、美咲。顔が酷く真っ赤だよ」
「昨日はそんなに辛かったの?」
その場にしゃがみ込んでしまったわたしに兄さんたちは同じようにしゃがみこみ、二人同時にわたしの頭の上に手を置いた。
「たくさん、泣いたんだね」
「たくさん、悲しんだんだね」
珍しく兄たちからの慰めの言葉にとっくに乾いたはずの涙がもう一度あふれ出そうになった。

