またこの冷たい視線。
昔から翔くんはわたしが話しかけてもいつもこんな風に冷たい視線をわたしに送ってくる。
視線で伝わってくる、翔くんのわたしに対しての嫌悪感。
『どんなに辛くても、諦めないであげてください』
ひばりさんの言葉が頭に思い浮かび、泣きそうになる。
辛くても…それはどうやっても翔くんがわたしに振り向いてくれなくても…ですか?
駄目だ、駄目だ、弱気になるな!!
首を小さくぶんぶんと振っていると、頭上から翔くんの冷たい声が聞こえてきた。
「用がないなら」
「!!待って!!」
そう言って、ドアを閉めようとする翔くんの手を慌ててわたしは掴んだ。
その瞬間、掴んだ手が翔くんによって勢いよく振りほどかれた。
えっ……
上を見上げると、わたしを睨む翔くんの顔があり、わたしは暫く放心状態になった。

