「か、翔くん」
「……」
め、目の前に翔くんが現れてしまった…
ドアをノックする覚悟はできてるけど、翔くんと会う覚悟なんてまだきめてないよーー!!
今すぐにでもダッシュしてこの場から立ち去りたいが、そうはいかない。
頑張れ、わたし!!
「あの、翔くん…」
「……何?」
いつものように不機嫌そうに答える翔くんに対し、わたしはめげずに話しかけた。
「その、ね…今日は…」
「……」
どうしてだろう
いざ翔くんを目の前にすると、何も言えなくなってしまう。
さっきまであんなに張り切って…自分でも頑張るって…
「今日は…その…」
「……」
翔くんの冷たい視線に耐えきれず、わたしはつい俯いてしまった。

