よしっと両手で自分の頬を叩き、わたしはベットから立ち上がった。




この写真のことを翔くんに聞いてみよう。




こんなところでうじうじするな、わたし。




わたしは今は貧乏でも数十年前は大企業の一つだった花菱財閥の長女にして只今、世界一に君臨している設楽財閥の嫁、怖いことなんて何一つないのよ!!




必死に自分にそう言い聞かせ、わたしは翔くんの部屋へ向かった。




向かう途中頭の中がぐるぐるしたり、胃の調子がおかしくなったりしたが、自分の部屋に戻ることはなかった。




そしてついに翔くんの部屋の前にに着いてしまった。




胸がバクバクしてうるさくて、今でも逃げ出したいけど…




わたしは大きく深呼吸して、自分を落ち着かせた。




大丈夫、大丈夫…




何度も何度も繰り返しそう暗示し、わたしはやっとのことでドアをノックする決心がついた。




「よしっ…」




右手でドアをノックをしようとしたその瞬間





ガチャっ




目の前のドアが開き、中から部屋の主が現れた。