おかしいな…、なんでなんで目頭がこんなに熱くなってるんだろう。
なんで視界がぼやけるんだろう。
なんで…なんで…
机の上に落ちていく滴を見て、わたしは手で目を覆った。
「美咲…」
聖美のわたしを心配してくれる声が聞こえる。
「おかしいな…わたし…わたし絶対に泣かないって…、もう泣かないって決めてたのになぁ…」
黒くてドロドロした渦がわたしに近づいてくるような気がした。
2年前のあの日のように。
もうさすがに駄目か…わたし一人じゃもう無理か…
「聖美…わたしの話、聞いてくれる?」
溢れ出す涙をなんとか抑えようとしながら聖美にそう言うと、聖美は涙ぐみながら何度も何度も「うん、うん」とわたしの手を繋ぎながら頷いてくれた。

