そんなことを今更気付かされ、ショックを受けてると、いつのまにか食べ終わった翔くんが席を立ち、扉へと向う。
「あっ…か、かけっ…」
何を思ったのか咄嗟に声をかけると、翔くんは少し戸惑った顔で振り向いてきた。
「えっ…あー…えーっと…」
何で声をかけたんだろうかとか焦りながら、何か言わなければと口を開くが
「な、なんでもありません…」
恥ずかしくて結局何も言えず、俯いてると、翔くんは『そうか』とだけ言い残し、食堂から出て行った。
なっにをしてる、わたしは!!
机に顔をうつ伏せ、大きくため息をついた。
わたしはさっき何を聞こうとした?
さっきポッと頭に浮かんだのは今日、見た最悪な夢。
まさか、不安?
また翔くんが離れていってしまうかもって不安にでもなってるの?
それなら大丈夫、わたしと翔くんは元から近い存在ではないのだから。

