そんなことを願いながらの次の日の朝の食堂
「………」
えっ…、あの…今、わたし幻覚見えてますか?
なんで昨日熱で寝込んでた人が目の前でコーヒーなんて飲んでるんですか!?
食堂に入った瞬間に見つけた今、絶対にここにいるはずない人。
絶対に二日、三日は寝込むと思ったのに、一晩であの高熱、治りますか普通!?
呆然とそこに突っ立ていると、メイドの1人が椅子を引いてくれたので、とりあえず座り、じーっと翔くんを凝視した。
普通に見てると、もう既に熱なんてないように見えるけど、翔くんとわたしの間にある机は長いから、顔色なんて見えるわけがない。
普通に調子はいかが?って聞けばいいのだろうけど、絶対に大丈夫だって嘘つかれそうだから、無理でしょう。
じーっと凝視を続けていると、わたしの視線に耐えられなくなったのか、翔くんがこほんと咳払いをした。
「!!翔くん、やっぱり熱下がってないの!?」
慌てて立ち上がると、翔くんは冷静にそれに対応した。

