…へっ?




あまりの呆気なさに顔を上げると、桂さんはにこにこした表情でパソコンを受け取っていた。




「い、いいんですか!?」




「はい」




念のためにもう一度聞くと、やっぱり返事は呆気なく、しかもにこにこしている。





「パソコンが壊れたお陰で翔様はお休みになられたのです。よいことではないでしょうか?」




「で、でも中には大切な資料とか…」




「美咲様、ここで問題です」




人差し指を目の前に出され、いきなり問題と言われ、わたしは首を傾げた。




「もしも小さな子供が悪さをして大切な何かを母親に没収された場合、その子はどうやってそれを取り戻すのでしょうか?」




まったく突拍子もない問題を言われ、ますます桂さんがしたいことがわからない。




これとパソコンとはいったいどういう関係が…?




目の前で桂さんがにこやかにわたしが答えるのを待っている。