「さすがです、美咲様」
唖然とその光景を見ていたわたしは桂さんの声ではっと我に返った。
「いやっ、あの…わたしは…そのっ…」
「美咲様が翔様の奥様だからこれからは安心ですね」
「翔様も美咲様の言うことは聞くみたいですから」
何もやってませんよと言おうとした瞬間、いろんな人の言葉に遮られてしまった。
てか、違うから!!さっきのちょっと違うから!!
慌てて訂正しようとしたが、いきなり万歳万歳と使用人一同手を上げて叫んだので、その勢いに負け、どうにも言い出せなかった。
うぅっ…違うのに…
それはそうとパソコン…どうしよう…
あの時はつい勢いでひっくり返しちゃったけど、これ絶対にすっごく大切なものだよー…
投げた勢いで壊れてたらどうしようー…
とりあえず桂さんに聞こうと、大量の使用人たちの中から桂さんを探し出し、騒がしい廊下から連れ出した。

