「お前、昔からそういう強引なとこ変わってないな…」
「んっ?何か言った?」
本当は聞こえていたが、笑顔でそう返すと、『いや、なんでもない』と翔くんは呟いた。
だって、こうしなきゃ翔くん絶対にわたしの言うこと聞いてくれないくせに!
床の上でひっくり返ってるパソコンを拾い、振り返る。
「じゃっ、今日はもう寝てね。起きてたら絶対にパソコン返してあげないから!」
最後にそう忠告して、わたしは部屋を後にした。
ふぅっ…
部屋を出ると、一気に何かがドカッと来た。
疲れたのかはわからないけど、なんかすっごい脱力感が一気に押し寄せる。
気を張ってたのかもしれない。
パチパチパチッ
んっ?
拍手音が聞こえたので、顔を上げると使用人たちが全員なんか尊敬の眼差しでわたしに向って拍手をしていた。

