「・・・うわっ・・・」





朝、設楽の使いがうちにやってきてわたしを迎えに来た





弟や妹、母さんに別れを告げ、とりあえず兄さんたちを一発ずつ殴ってわたしは生まれ育った花菱の家を出て、設楽に嫁ぎます





といっても、たぶんすぐに家出して戻ると思うからそれほど重い別れ方ではなかった





弟の冬には




『翔さんに迷惑かけないでよね』と心配され、




母さんには




『涼香によろしく言っておいでね、お母さんも明後日ぐらいに遊びに行くから』と実の娘が嫁いでいくのに全然楽しそうだった





双子の兄さんたちは…




『ひゅひゅー、新婚熱々』




『もしかしたら、明日にでも姪が出来るんじゃない?』





・・・・・・普通なら、ねぇ?もっと…なんか、あるでしょう?




そのテレビ的な小説的なあれが




なんか借金まみれになった企業の令嬢がどっかの財閥に無理やり嫁がされる別れのときに実の兄は妹を必死に守り、母は泣き悲しみ、父は怒りをこみ上げるとかそんな・・・