翔くんの寝室へと向うと、そこにはたくさんの人が扉の前で困ったように集まっていた。
「何があったんですか?」
桂さんがそう聞くと、1人の年配のメイドがこっちこっちと手招きをしてきたので、そそと扉の前まで行った。
「あの…」
「あちらを」
何がなんだかわからないわたしはとりあえずメイドが指差した方向を見て、思わず目を見開いた。
「なっ、なにやっ…むごっ!!」
大声を出そうとしたその時、メイドの手がわたしの口を塞いだ。
(な、何するんですかーーー!?)
口をもごもごとさせ、目線でそう訴えると、彼女はしっと人差し指を唇に当てた。
「静かに、ここにわたしたちがいると知ったらきっと追い返されてします」
でも…
わたしはもう一度、扉の向こうに視線を戻した。
視線の先には寝巻きの上にカーディガンだけを羽織り、上半身だけを起き上がらせ、パソコンの前で真剣な顔している翔くん。

