変わらない…?
確かに性格的には昔からちーっとも変わらなくて兄さんたちに美咲は子供っぽくて可愛いねー、って遠まわしでガキと言われたことは何度かあるから自覚している。
つまり、桂さんはわたしが昔から変わらない馬鹿でガキで世間知らずなやつだとお思いで!?
バックミラー越しでわたしの表情で何かを感じたのか、桂さんは慌てて言い直した。
「昔から変わらず相変わらずお優しいという意味です。ですから決してそういう意味ではないので、そんな顔をなさらないでください」
「そ、そうですよねー」
ははははと笑い飛ばしながらも、内心ホッとした。
結局、わたしはまた何故か車の中だし、わたしを連れ出した当の本人はもういないし、疑問は残ったまま。
「それはそうと、今日はいったい何なんですか?いきなりこんなとこまで連れてきて…」
そう聞くと、何故か数秒間の沈黙が続いた。
バックミラー越しで桂さんを見てみると、何か困ってるような顔。
ははーん、さては翔くんに口止めされてるな…
そう確信したわたしはにやっと口を吊り上げた。

