か、かかかかかかかかか翔くんの手がわわあわわわ、わたしの…
信じられない光景にギョッと目をむいて、おたおたし始めたわたしはとりあえず頭の中で状況整理を始める。
てか、状況整理ってただ翔君の手がわたしの手の上に重なってあるだけで…えぇぇ!?
やっぱり混乱する。
どうしたの、翔くん?
だって一応、結婚生活が始まっても翔くんは自分からわたしに触れることはなかった。
最初の日のあれはなんだったんだろうって思うぐらいに自分からわたしには近づいてこなかったし。
それなのに今日はなんか変だよ、翔くん?
とりあえず心を落ち着かせると、わたしはまたあることに気付いた。
わたしの手の上に重なってある翔くんの手が少し、気のせいだと思うけど震えてる気がした。
「…翔くん…」
「何だ?」
こっちには見向きもせず、翔くんは未だにまだの外に視線を向けている。
「ううん、なんでもない…」

