「ほっ!」
大股で一歩スッキプして、わたしはお目当ての翔くんの左手をガシッと掴んだ。
もちろんすごい抵抗してくるけど、何故だかわからないけどわたしには火事場の馬鹿力というものが出ていて、あっさりとその抵抗を止めた。
そして、ゆっくりとゆっくりと指輪を翔くんの綺麗で細い薬指に通した。
その瞬間
パチパチパチパチパチ
どこからともなく拍手が聞こえてきて、わたしはハッとした。
わたし、いままで何を……
「おめでとうございます、翔様、美咲様。これで二人はめでたく愛の証を交わしたということですね」
愛の証………
そ、そういえばわたし今まで指輪のこと深く考えてたけど、本来の指輪の意味ってあ、愛…
一瞬にして頭が冷えたが、顔は一瞬にして熱くなったのを感じた。
こ、これじゃあわたしが翔くんに愛の告白的なことしてるみたいじゃないかぁっぁ!!
指輪をくれたのは翔くん、でも無理やりはめさせようとしたのはわたしであって…
あの…あの…うまく説明できないけど、絶対にすっごい恥ずかしいことをしでかした!!

