わたしのとデザインがお揃いの指輪がキラッと光っている。




指輪がそこにある確認をしたわたしはその箱を持ちながら、席を立ち上がり、翔くんの方に向った。




翔くんのすぐ横まで来て、自分の右手を出した。




「…何の真似だ?」




「手、出してください。もちろん左手を。わたしが翔くんに指輪、はめてあげます」




その発言に驚いた翔くんはガタッと席から立ち上がった。




「断る!てか、こっちに来るな!!」




一歩ずつ後ろに後ずさる翔くんをわたしは逃すまいとじりじりと距離を詰め寄った。





緊迫な空気の中、わたしと翔くんは一定の距離を保ったまま、何故かダイニングテーブルの周りをグルグルと回っていた。




他の人から見たら絶対に変な光景のように見えるけど、わたしは本気。




だって、翔くんにもはめてほしい。




翔くんから貰った指輪をはめることはきっとわたしにとってこれ以上のないほどの喜びなのだろう、だけどもし翔くんの指にもわたしとお揃いのものをはめてくれたらきっともっともっと嬉しい。




だから、わたしは無理やりにでも指輪を翔くんにはめさせる!!




今まで散々わたしの嫌がることをされてきたのだ、このくらいの可愛い復讐ぐらい神様だってきっと許してくれる。