亀谷さんにすぐいきますのでと伝え、先に車に戻ってもらい、わたしはくるっと輝のほうを向いた。
「さっき、何か言った?」
「いいや、大したことじゃないから。ほらっ、お前早く行かなきゃ、また怒られるぞ」
確かにこれ以上待たせたら悪いな…
じゃあ、お言葉に甘えさせてお先に帰りますかと、輝にじゃあねと言って、背中を向け、鞄がある教室に向った。
後ろで輝がすっごい悲しそうな顔でわたしを見ていることも知らずに…
「……………」
さぁ、屋敷に帰ったのはいいが、わたしはいったい何をしてるんでしょうか?
ベットの上で箱の中でキラリと光る結婚指輪と正座でにらめっこしている状態をもうかれこれ2時間もやっている。
今日みたいなことがもう起きないように指にはめればいいんだけど…なかなか、はめられない!!
うぅー、すっごく胸がバクバクする。緊張する!!
ただの指輪だったら普通にあっさりとはめられるのに、翔くんからもらって、しかも結婚指輪…、緊張しない方がおかしい!!

