だけど、それはわたしを呼ぶ誰かの声で遮られた。
声をした方に振り向くと、息を切らしている亀谷さんの姿がそこにあった。
「かっ、亀谷さん!?ど、どうしたんですか?」
普通なら運転手は絶対に校舎の中に入らないはずなのに、しかもちゃんとメール打ったよね?
「どうしたではありません!!なんですか、このメールの内容は!!」
切羽詰まったようにそう言われ、わたしはへっと思った。
メールの内容…?
亀谷さんから携帯を受け取ったわたしは自分が送ったメールを見た。で、驚いた。
FROM:美咲様
SUB:無題
なくなったので、なります
…意味わかんねぇーーー!!!
えぇぇぇ!?わたし、こんなの送った記憶ないよ!!だって、わたしが送ったのは『ちょっと遅くなります』って…
もしかして、指輪が消えたショックでこうなったのかもしれない…。
「まったく。時間通りに来ないし、こんなメールを送ってくるし…心配させないでください!!」
「す、すいませーん…」
うぅっ、怒られた…
でも、やっぱり亀谷さんいい人だ。わたしを心配してわざわざ校舎にまで探してきてくれた。ほんっとうにいい人だよ。

