箱を輝から受け取り、中身を見られないように確認する、指輪はちゃんとある。
「よっ…」
よかったぁー…、本当によかったぁ…
箱をギュッと抱きしめて、ホッと胸を撫で下ろす。
ちゃんとある、ここにちゃんとある。
翔くんから貰ったもの、わたしの大切なものがちゃんとここにある。それだけでも、もう十分だ。
「ほらっ」
輝がわたしに手を差し伸べてくる。そういえば、わたし未だに地べたに座り込んだままだった。
指輪が見つかったからなのか、さっきとは違い、わたしはすぐに立ち上がれた。
「ありがとう、輝」
そうお礼を言うと、輝は複雑そうにわたしがギュッと抱きしめてる箱に視線を落とした。
そして、気まずそうに口を開いた。
「美咲…それって「美咲様!!!」

