『美咲は絶対に僕のお嫁さんにしてあげる』





『ほんとっ?じゃあわたしもカケルくんのことお婿さんにしてあげるね』





『じゃあ、約束』




『うん、約束』





幼かった二人が笑顔で将来を誓い合い指きりげんまんと小指を繋いだのはずっと昔のこと




昔は確かに好きだった、それは認めよう




じゃなきゃ政略結婚だなんて誰が引き受けるものですか




ずっと夢だった大好きな幼なじみとの結婚は今、最悪な形で現実になろうとしていた












「・・・・・・」




ペンが進まない、てか書きたくない




一枚の薄っぺらい紙の前でわたしは一人、たくさんの視線を感じながらゆっくりと自分の名前を書いていく




な、なんでこんなことに・・・





それは数時間前のことだった