そして何時しか僕も両手を広げて砂浜に駆け出した。
 3月の波音はまだ幾分荒れていたのだが、その音が僕と少女を日常から切り離してくれるBGMになった。
 ソラの青はまだ薄く、雲の境も朧(おぼろ)であった。