指輪をはめた私は、康人の妻なんだと思い知らされた。



康人がどう思っているのか知らないが、私は彼と住んでいたマンションへ一旦戻ろうと思いついた。



久々に開けた自室のドアは、まるで他人の家の匂いがした。



部屋の中は散らかり放題で、脱ぎっぱなしの服や読みかけの新聞などで埋め尽くされていた。



それとは対照的に、キッチンは整然としていた。