蛇口の水は、完全にはとまってくれなかった。



拭っても拭っても、涙がつーっと頬を伝っていた。



だけど、この時間を、この瞬間をしっかりと胸に刻んでおこう。



そう思っていた。



爽やかな青空、たゆたう川の流れ、遠くで遊ぶ子どもたちの歓声・・・。