「私が勝手に家を出たの」



「そうか。うちはあれから、妻が優しくなったよ。私のこと捨てないでって、泣きつかれた」



天気のいい青空を仰ぎながら、彼は言った。



サラサラの彼の髪の毛を、そよ風がさらっていった。



「君からのさよならのメール、正直言ってショックだったよ」