自由曲の伴奏者はもちろん俺。

課題曲の伴奏者は水無月と睦月2人が手を挙げたから、夏休み中にオーディションをすることになった。



「はぁー、うち下手だし…落ちるかも…」

水無月は珍しく萎れていた。



「睦月くらい大丈夫だろ
水無月の去年の伴奏だってなかなか良かったし?」


俺が言うと、水無月は顔を上げた。


「え、うち…去年の伴奏は最悪だったよ?歌と指揮をバラバラにしちゃったし…」


「お前のせいじゃねーよ
リベンジしたいんだろ?だから伴奏者立候補したんじゃないの?」


俺が言うと、水無月は黙って微笑んだ。