毎日のやり取りになっていったが抗がん剤投与の量が多くなっていきますます私達二人にとって苦しい日々になっていった。

「最近調子いいんじゃない?」
「あぁそうだな、抗がん剤の量減ったし」「え?ていうと…」
「このまま順調にいけば退院は来月末だってよ」
「ほんと!?」

ほんとは笑いたいのに安心と嬉しさで涙が零れてきた。

「恵璃香は泣き虫だなぁ」
「嬉しいんだもん」
「はいはい、ありがとな」

司は優しく私の頭を撫でながら胸に寄せて抱いてくれた。
私はこの時の時間が一番幸せだった。
司の一番側にいるという実感が湧いてきてますます涙が出て来た。

「退院したらたくさんデートに行こうな!」
「うん!約束だからね!」
「あぁ約束だ」