「……あたし…結局…春雪に何もしてあげることが出来ませんでした…」 月夜を見上げて呟く先には…… やつれた姿のお母さんがいる…… どんなに辛いときでも…… 春雪を見つめ続けた…… 強い姿。 引き換えに、全てを失ったような空っぽの体は…… とても弱々しく…今にも崩れてしまいそうだ。 「私も……母親なのに…何にもしてあげられませんでした……」 一つの命と 違う形で向き合った あたし達……… 最後まで涙を流さなかったあたしに…… お母さんは春雪の最後の姿を……伝えてくれた。 . .