後は当日プランを練る。
今日、夜更かしをすれば翌日に頭が働かなくなる。
そんな事になれば当然想定外の事態に対処等出来ない。
もう今日は寝ておく。
あいつを洗脳するために。
俺は携帯を充電器にさして洗面所へ向かう。
そして歯ブラシを手にとって歯を磨いた。
鏡を見るのは気が進まない。
「もう一人」の事を思い出すからだ。
しかし明日の朝は鏡をよく見て外見を整える。
そして数日間恋愛感情を装いながらの接触を繰り返したらいよいよ五十嵐を落としに行く。
あんな馬鹿女の彼氏になるのは嫌だが死ぬよりはマシだ。
俺は生きる道を選んだのだからどんな手を使ってでも延命を図らなくてはならない。
俺は水道水で口を濯ぎ、自室に向かった。
俺は成し遂げる。
必ず「もう一人」を殺す。
正義とか悪とかそんな美辞麗句は社会の大人達から耳にたこが出来る程聞いてきた。
だが俺は「俺」でしかない。
正しかろうが正しくなかろうが知ったことではないのだ。