あの女を道具にして「もう一人」と接触させる。
俺が同行すれば「もう一人」の存在を認められる。
向こうに告白をされたときにこう言えば良い。
「俺も由美を愛してるよ。
ただ…俺達のこれからの幸せな生活を邪魔する奴がいる。
そいつをどうにかしないと結婚を前提に付き合う事は無理かもしれない。
すまない。」
こう言って優しく抱き締める。
一見寒気がするような臭い行動ではある。
しかし恋に落ちた女は男の行動に酔いやすい。
洗脳さえすれば後は簡単。
ただ…五十嵐の人格さえも変えなくてはならない。
そうして五十嵐に遂行させる。
「もう一人」の殺害を。
もちろん俺は「もう一人」の存在を明かすだけであり五十嵐に殺害を指示したりはしない。
五十嵐にとって「もう一人」がもの凄く邪魔な存在になる。
そんな状況を作り出せば良い。
あの馬鹿女が感情的になった時に冷静に法を守れるとは到底思えない。
行動的で感情豊か。
そんな長所は利用するのに最適だった。